昨日、お客様先に同行したクリエイターさん。
「クリエイターさん」といっても、
既に20年以上映像関係の制作会社を経営しておられる、
この業界では大ベテランの社長さんだ。
まるで職人のような緻密なお仕事振りに、
お客様も思わず「おぉぉぉ!」と唸っておられ、
媒介役の私としては、そんな瞬間がやっぱり一番嬉しいですね^^
そのあと少し時間があったので、そのクリエイターさんとお茶をした。
社員を雇って汎用的に拡大するのが難しい技術なので、
20年間ずっとお一人でやってこられたそうだ。
「毎日一人で制作の仕事をしていたら、たまには気晴らしとかしたくなりませんか?」
と聞いてみたら、
「僕は介護をやっているんで、それが一番の気晴らしです。
楽しいですよ。ハハハ」
介護って言葉を聞いたら、何だか勝手に重たいものだと想像してしまうけど、
楽しいって・・・??
そのクリエイターさんがやっているのは、介護といっても老人介護ではなく、
障害者の方の身の回りのお世話をするもので、
毎朝1~2時間のアルバイト制なのだそうだ。
訪問先は、エージェントから紹介され、
その都度スケジュール調整ができるので、
都合のいい日に週3.4回訪問するという。
もちろん資格も取得済み。
「まさか自分がこういう仕事をやるようになるなんて
思いもしませんでしたよ。
でもね、(介護を)やってみたら案外悪くないですよ。
(自分は)意外と何でもできるんだなって自信になりました。」
また、こんなことも仰った。
「体の自由がきかなくても、自分の運命を受け入れられる人は、
とても明るいし、お世話をしていて楽しいです。」
「可愛そうだと思ってしまうことはないですか?」
「ないですよ!友達になりたいなーと思って接しているけど、
可愛そうだとは思いませんね。
だってそれはもうしょうがないことじゃないですか。
本人も周りも受け入れるしかないんです。
そういう感覚が持てるようになったことが、自分にとってもすごくいい経験でした。」
私は、本人でも家族でもないし、介護の経験すらしたことがないから
軽はずみなことは決して言えないのだけれど、
とにかく、そのクリエイターさんに何の気負いも使命感もないのが
お話を聴いていてとても心地良かった。
朝8時~9時過ぎまで介護の仕事をして、
そのあとに本業の仕事を始めても、充分午前中からスタートできる。
基本的な介護はご家族がやっていたとしても、
成人男性のトイレやお風呂の介助には相当の腕力が必要なので、
女性だけで対応するのは難しい。
だから朝の数時間お手伝いするだけでも充分ニーズはあるのだそうだ。
夜型でこもりがちな制作の仕事も、
介護の仕事を始めてから自然に朝型の生活スタイルになって
自分自身も健康的になったという。
一方で、ヘルパー一本で生活していくのは大変なことで、
過酷な労働環境の割に低賃金だから常に人手不足、みたいなことが
よくメディアで取り上げられている
ならば、これからの高齢化社会に向かって、
例えば普通に企業にお勤めの方でも、
このクリエイターさんみたいに介護を気軽に「副業」でやるワークスタイルが
実現できる社会ってなんだかいいなぁ。。
「今日は午前中介護なんで、午後から出社します。」みたいなことが
あたり前に言える社会。
朝の1,2時間なら、周囲の理解と個人の工夫次第で時間は生み出せるはずだ。
家族だけが極度に負担を抱える介護じゃなくて、
ある程度の収入を確保するために体力の限界まで働かなければならない
ヘルパーという職業の選択じゃなくて、
献身的なボランティア精神というのとも違っていて。
別の仕事を持ちながら、自分ができる範囲で活動する、
そんな介護の在り方があってもいいのかな、と思った。
やっぱりこれからはダイバーシティ(多様化)の時代。
一つの会社だけにコミットして定年まで働き続けるワークスタイルだけでなく、
個人が複数の「顔」を持って、性別に関係なく、
地域・家庭・ビジネスのすべての分野の活動に参加しながら、
労働力を集約・分配・再編成していく時代なのではないか。
今現在、ひたすら仕事一辺倒の私が提言できる立場ではないのだけれど・・・
そのおこがましさも、介護に対する知識のなさも承知の上で、
一つのワークスタイルの事例としてご紹介させていただきたいと思いました。。
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