
先日観ていたテレビに、
高良結香さんというミュージカルの女優さんが出ていた。
ブロードウェイで認められた、唯一の日本人なんだそうだ。
彼女の身長は148cm。
日本人の中でも超小柄だ。
決して人目を引くような美人でもない。
(ゴメンナサイ・・・)
しかもアジア人に対する根深い人種差別は、
我々の想像を越える厳しいものなのだそうだ。
高良さんも例外ではなく、何年もの間全く相手にされなかった。
それでも彼女は渡米から10年間、
オーディションを受け続け、
その回数はなんと1000回にも上るという。
どんなに好きなことでも、
1000回もオーディションに落ちたら普通の人なら
嫌になるだろう。
私はオーディションのようなものを受けたことがないので
想像できるシチュエーションといったら転職活動くらいだけど、
あれだって、「不採用」通知を何度ももらうといい加減心が萎えてくる。
自分の意志と無関係のところで、
他人からジャッジされ、そして優劣を付けられ拒否されるというのは
精神的にものすごく疲れることだ。
だから、1000回落ちても挑戦し続けるって
口で言う程簡単なことじゃないと思うのだ。
そんな高良さんは、「自分を信じること」が何より大切だと言う。
何百回、何千回誰かに否定されても、
自分だけは自分自身を信じ続けてあげることができるかどうか・・
また、高良さんはインタビューでこんなふうにも言っていた。
持って生まれた条件が不利なら、
とにかく何でもできる女優になろうと思った、と。
もちろん英語は完璧、
正確に話せるだけじゃなくて、
どこにいてもその場のムードメーカーになれるくらいの
抜群のコミュニケーション力だ。
どんな種類のダンスだって踊れるし、
歌も、オペラからPOPSまで、
とにかく何を求められてもすべて完璧に演じられるように
自らのスキルを極限まで磨き上げた。
私はこれをやりたい、ここを認めて欲しいという
自己満足の努力ではなくて、
観客や作り手のニーズに徹底的に応えられるよう
自分自身を自在に変化させる。
こういう芸術の世界に生きる人は、
自分の個性を打ち出すことに神経が集中しがちだが、
彼女は「他者から求められるものに完全な形で応えること」で、
自らの立場を確立していった。
そして、「どんな要求にも応えること」がやがて彼女の「個性」となって、
誰にも真似できない輝きを生んだ。
***
彼女の話を聞いていたら、
仕事も芸術も意外と同じなんだな、と思った。
最初はとにかくどんな仕事を与えられても
完璧に依頼者を満足させることに徹底して、
そうやって初めて少しずつ認められるようになるのだと思う。
自分がやりたいことがやれるのなんて、そこから先の話だ。
自分を信じて、まず先に相手を満足させる。
自己実現できる人共通の鉄則だ。
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