【書評200】読書について

ショウペンハウエル著

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本の虫


先日、今年の1月から読んだ本が100冊を越えた。


これはビジネス書や自己啓発書に分類されるものだけをカウントしているので
小説やエッセイ、漫画本などのエンターテイメント系を含めれば
ゆうに140冊は越えるだろう。


この紙メディア衰退の時代に、
そろそろ全国書店協会(そんなものあるのか?)から
表彰されてもいい頃だと思う。


せめて、図書カードで購入額の合計から10%還元とか!


書籍購入補助給付金とか!



・・・ないか。


あ、そういえば先日、ある本屋で5000円以上買うと、
隣のカフェのコーヒー一杯無料券贈呈というのがあって、
なんて素晴らしいバーター※なのだろうと感動して足しげく通った。


※バーター・・・お互いに支払いが発生せず、どちらにもメリットがあること。
         交換条件、抱き合わせの意。



だって、コーヒーと本って、
ケーキセットの何倍も相性のいい組合わせだと思うから。。


誰よりも読書を愛す人

ところが、そんな活字漬けの私に、
かのショウペンハウエルは随分と攻撃的なことを仰る。

●読書は、本を読んでいる人のその瞬間の傾向や気分とまったくいなじまない
 異質の思考を押しつける。

●自分の時間を読書ばかりに費やし、本から知恵を得ている人は、
 たくさんの旅行案内を読破し、その土地について詳しい知識を手にした
 物知りに似ている。

●本を読むというのは、私たちの代わりに誰かが考えてくれるということだ。
 一日中おびただしい分量を猛スピードで読んでいる人は、
 自分で考える力がだんだんに失われてしまう。

●その作家が書いたものを読んだからといって、
 その特性まで身につくわけではない。
 もって生まれた才能があることが大前提となる。


私もそうだが、本好きならこの辺でイラッとしてくることだろう。


でもそこはショウペンハウエル。
その辺のスポーツ新聞しか読まないオッサンが言っているのとは訳が違う。

単純に本を読むことを否定しているわけでは決してないのだ。


本当は、誰よりも本を、そして言語を愛しているからこそ、
金儲けのために本を書くような人間の、
薄っぺらいベストセラーなんかに簡単に手を出すなと言っているのだ。

そして、他人の意見に軽はずみに同調するのではなく、
自分の頭でしっかりと考え抜くことの重要性を説いている。

●いくら量が多くてもそれが自分の頭で考えず鵜呑みにした知識であるなら、
 はるかに量は少なくても、充分に考え抜いた末に手にした知識の方が価値がある。

●自分自身で到達した真理や洞察には、百倍の価値がある。
 その心理は、それを求める気持ちが高じてきた正しいタイミングにあらわれ、
 心に留まり、けっして消え去ることはない。

●言語は芸術品であるから、
 他の芸術品と同じように客観的に取り扱わなければならない。

●作品は著者の精神の真髄である。

●良書を読むための条件は、悪書を読まないことだ。
 なにしろ人生は短く、時間とエネルギーは有限なのだから。


私が本を読む理由

ショウペンハウエルくらいの偉大な哲学者なら、
自分の思考をゼロベースから掘り下げていけるかもしれないが、
私の場合、本を読んでいるときこそが唯一の「思考」の時間だ。


ぼんやり物思いにふけって考えたことなんて、
所詮形のない「感情みたいなもの」のつなぎ合せに過ぎなくて、
自分の「考え方」として確信を持つにはあまりにもつたない。

だからやっぱり私には活字の力が必要だ。


それは決して同調の作業ではない。

自分の潜在意識にアクセスして思考を言語化する作業。


時々、自分でも気付いていなかった心の声を代弁するかような
魂に響く一文が突然目の前に現れたりする。

そして、あぁ私が生きていく意味ってこういうことだったのかなと、
はっきりと認識したりする。


それは滅多に訪れない瞬間なのだが、
私はその瞬間を求めて今日も大量の文字を追う。


そして、アウトプット

私が今ほど本を読むようになったのは4.5年前からだと思うが、
そこから格段に自分の思考傾向が明瞭になった。


更に1年前にこのブログという強力なアウトプットの手段を得てからは、
自分の言葉で思考を活字化するようになり、
色んなことが非常にクリアになった気がする。


まぁアウトプットの方法は人によって、
音楽だったり、デザインだったり様々なんだろうけれど、
私の場合は間違いなく言語であり活字である。


もしかしたら、この「自我をアウトプットする方法」と「職業」が一致していることを
天職と呼ぶのかしら。。


要するに私にとっての読書とは、心の声の拡声器であり、
思考を言語化するための翻訳機というか・・・

本当の自分に出会うための大切な大切なツールなのである。



ところで私は、この本の中でショウペンハウエルが最も本質を突いているのは
以下の箇所だと思っている。

もっとも美しい思考も、かきとめておかないと、
忘却して取り返しがつかなくなる危険があり、
恋人は、結婚でつなぎとめておかないと逃げていってしまうものだ。


くれぐれも気をつけたい(笑)。

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