実家の父がとうとう退職勧告を受けたと、
昨日母からメールがあった。
父は、年齢的にはもうとっくに定年を迎えているのだが、
仕事だけが生き甲斐の人間で、
もといた会社を退職後も、子会社などに就職先を見つけて
休まず働いていた。
ここ数年は嘱託社員という形で、
週3回の特許関連の業務アドバイザーとして契約していたが、
頼まれもしないのに(笑)、週5日フルタイムで出勤し、
深夜残業も自ら好んでやっていた。
「そんな70近いおじいちゃんがいつもいつも会社にいたら、
絶対ウザイって!!」
と、私はいつも言っていたのだが、父は聞く耳を持たず、
会社に行って好きな仕事ができることが何より嬉しそうだった。
そんな父だから、
今年度契約更新してもらえなかったことで、
今頃はさぞかし落ち込んでいるんだろうな・・・
趣味とか交友関係とか全然ない人なので、
この先のことが少し心配だ。。
私の家庭は父が研究職のサラリーマンで、
母が経営者。
どちらも猛烈な仕事人間だったけど、
立場や働き方の価値観が180度違っていた。
母の武器はコミュニケーション能力で、
一見明るくて大胆な印象を受けるが、
いつも従業員や得意先などの、あらゆる状況に神経質に気を配っていた。
行動力に優れ、自分のペースで周りを動かしていく人。
数字に強いのも、車の運転が得意なのも、父より母のほうだった。
父の武器は一つのことに集中する能力で、
周りが自分をどう思うかなど一切意に介することなく、
常に我が道をいく人。
そんな超自分勝手(笑)な仕事ぶりなので、出世はしなかったが、
40年以上同じ道で、その研究が好きでたまらないようだった。
良くも悪くもお互いに自立していて、水と油のような性格の2人だったので
いわゆる「おしどり夫婦」とか「夫婦円満」という表現とは程遠いけど、
よくよく考えたてみたら、昭和40年代に奇跡のような絶妙の組み合わせだ。
この世代では珍しい女性経営者の母と、
母が働くことに何一つ干渉せず、食事も洗濯も自分のことは自分でやる父。
母は結婚以来、つい最近まで父の扶養家族になることはなく、
夫婦の財布は別々。
年金をもらうようになってからも、母名義の厚生年金が給付されるので、
老後に至っても相変わらず夫婦別会計。
私がたまに帰省して3人で食事をしたりすると、
「今日はお父さんに払ってもらって」「今日はお母さんが払っとくわ」
と、"都度交渉"による伝票の回し合い、及び現金の授受が発生する。
(っていうか、いい歳なんだから娘の私が払うべきか・・)
私たちが老後を迎える頃にはきっとこんな家族の姿も
普通になっていると思うけど、
今の60代にしてはけっこう斬新な両親だと思う。
基本的に両親とも忙しくて家族団らんとかあまりなかったので、
子供の頃は色々と思うところもあったが、
21世紀の今ようやく一つのスタイルになりつつある夫婦のあり方を
30年以上も前から実践していたんだから、なかなかやるじゃん、と思う。
そんな家庭で育った私には、
「女性の自立」とか「家庭と仕事の両立」などは、
今更いちいち議論すること自体が不思議なくらい当然の感覚で、
就職して初めて、寿退社というものをする女性を見たときに、
「なんで仕事辞めるの?家で何するの?」と、
真顔で聞いてしまったことがある。
(だって本当にわからなかったんだもん・・・)
子育ての時期は確かに大変だと思うが、
基本、夫婦は仕事も家事もそれぞれ自分の分は自分でする、
そういうシンプルな考え方じゃなんでダメなのかなぁ・・・と
これは今もちょっと思ってる。
(あぁ、またモテない発言をしてしまった・・・)
ところが、そんな母親がいつも私に言うことがある。
「女は仕事なんか辞めてお嫁に行くべきよ。
お母さんだって本当は、
もっとお金持ちの男と結婚して専業主婦がしたかったわ。」
よく言うよ。。
あなたは生まれ変わってもまた絶対に経営者です。
そして、そんな母が何をやろうと何を言おうと平然と受け流し、
自分の好きなように生きていられるのは父くらいのものだと思う。
父が直接何か支援してあげていた訳じゃないけど、
父が父だったお陰で、母は昭和の女性ながらに
ビジネスの才能を存分に発揮できていたのかもしれない。
そんなわけで、お父さん。
長い間色々本当にありがとう。そして、お疲れ様でした!
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