【書評162】経営がわからない幹部は辞めなさい!~不況にぶれない強い会社をつくる本~

氏家康ニ氏著

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企業人として当たり前のこと


●危機感があって危機がない状態が最も望ましいが、
 危機が迫っているのに危機感がない状態は最悪である。

 (中略) 

 「一言にして国を亡ぼす言葉がある。
 それは、『何とかなるだろう』という言葉だ。」

 (中略)

 会社の成長のエネルギーは人がつくり出さない限り存在しないことを知れば、
 口にすべき言葉は「何とかなる」ではなく、「何とかする」になるはずだ。

●一割二割の売上げ増なら、現状の企業努力の延長でがんばれば
 何とか目標に到達できるかもしれないが、二倍にするとなれば、
 現状のあり方そのものを破壊的に創造し直さなくてはならないのである。

●計画をつくったら、不退転の決意では腹をくくることだ。
 計画どおりの実行を決意し、迷わず行動に移し、
 いかなる壁に突き当たろうともくじけず、真っ向から立ち向かって解決していく。
 直面した困難が大きければ大きいほど、信念と使命感を燃やし、
 ありったけの努力を積み上げていく。こうすれば野望は必ずかなえられる。
 かならえられないのは、これらのうちのいくつかが足りないか、
 すべてが足りないかのどちらかだ。

●困難なことは、程度の差こそあれ、だれにでもある。
 そのたびに深く落ち込んでいては、目標達成できない。
 たとえ、いったんは落ち込んでも、すぐに目標に向かって、
 キッと顔を上げられる人でなくてはならない。
 
●世の中で成功者といわれる人たちの多くは、人々が不可能と思い込んで
 手をつけなかったことを、独自の工夫と粘り強さで可能にしてきた人たちである。
 みんなが不可能と思うことを可能にしたからこそ成功者になれたのである。
 運だけで成功した人など、だれ一人としていない。

●突破口は必ずどこかにある。

●目標が高くなるほど、失敗の確立は高まる。
 したがって、失敗に対する健全な心構えを常日ごろから培っておくっことが
 大切になる。

●そこそこの能力を発揮して、そこそこの人生で満足するのではなく、
 天から授かった無限の能力を死滅させたまま人生を送ることに畏れを感じたい。
 自分がこの世を去った後に、生かされなかった能力がうらみを残すような生き方に
 恐れを抱きたい。

●ギブ・アンド・テイクの帳尻が合わない人生で、かまわないではないか。
 どうせ一度限りの人生、送るのなら、惜しみなく与えるギブ・アンド・ギブの人生を、
 貸し越しの人生を。


ビジネススクールで学ぶような経営論ではなくて、
当たり前のことを当たり前に、例えば親父が息子に教えるような、
「人生とはな・・」的な経営書を目指したかったという作者の狙い通り、
難しい経営のノウハウではなく、
「人間として当たり前のことを真剣にやろう」という姿勢で貫かれた本書。


当たり前のことが当たり前に機能している会社って、
あるようでないのかもしれない。


特に最近は、「部下に命令できない上司」が増えているという。


部下への理解があって友達のように接し、お笑い系のノリもわかる人・・
そんな上司が支持されると勘違いしている。


だから部下に「やってもらえるかな?」とお伺いを立てるタイプや、
「やれる人はいるか?」と志望者を募るようなタイプ、
そんな「命令できない上司」が横行してしまうという。


こんな上司は一見民主的なようだが、単に自信がないだけで、
結局、方針通りに部下を指揮できず、
緊張感のない、目標を達成することもできない堕落した組織ができあがってしまうと
本書は指摘する。


体育会系マネジメントの意味

たまたま先週末、私が以前勤めていた会社がこの不況下にも関わらず
業績好調だという話を聞いた。


その企業は典型的な体育会系マネジメントで、
組織のピラミッドは絶対遵守。
朝は役職に関係なく始業前から全員で掃除、朝礼。
業者の方でもお客様が入ってきたら立って挨拶をする、
ゴミが落ちていたら率先して拾う、
それが中途半端ではなく、徹底して管理されていた。


画一的な行動を取らされることにものすごい反発心を抱いてしまう私は、
「今時こんな会社は成長しない」
「個人の能力やアイデンティティを奪っている」
と、当時は文句ばかり言っていた。


でも、確かに社風は常に統一され、
集まってくる人間も考え方や価値観に共通点が多く、
組織はどうあるべきか、なぜこの仕事をやらなければならないのか、
といった「前提」を話し合う余地などなかった。
やれと言われたらやる、それが当たり前だったし、
やっているうちに、挨拶も掃除も自然に習慣化された。
今ならそのマネジメントスタイルが目指す本当の意味がわかる気がする。

「自由」もなかったが、その分「迷い」もなかった。


多様な価値観を認め、
優秀な人材を幅広く登用すべきとする考え方もあるだろうし、
スキルは教育できても価値観は変えられないものだからと、
徹底的に社風を貫くのもあり。


未熟な私にはまだ明確に答えの出せない問題ではるが、
でも、どんなマネジメントをするにしても一番重要なことは、
経営陣が中途半端ではなく、徹底してそれをやり抜くということ。

一旦こうと決めたら、何を言われても絶対にブレない強い精神力。


ルールは守る側よりも守らせる側のほうが何倍も苦しいのだから・・・

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