【書評147】歩を「と金」に変える人材活用術~盤上の組織論~

羽生善治×二宮清純著

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スランプのとき


やっぱり今週は、どうも頭が冴えない・・・


でも大丈夫。寝てるときも起きてるときも、とにかくずっと考え続けていれば、
どこかのタイミングで「ぽんっ。」とアイデアが浮かぶから。

スランプを抜ける秘訣は、考えることを放棄しないこと、
それしかない。

経験的に言って、突然画期的なビジネスアイデアがひらめく、
なんてことはまず、ない。
(そんなことできるくらいならとっくに起業して成功してるし・・)


ただ、「今の」自分が何をすべきかがはっきりと見えてくる瞬間は
必ず訪れる。

それはそんなに難しいことじゃない。


こんなときはジタバタしても仕方ないけど、
だからといって、ぼんやりしているだけでもダメ。


というわけで、今週は異分野の偉人たちに触れることに
集中してます(笑)。


やっぱり羽生義治さんはすごい

羽生さんが将棋ですごいのは誰もが知っているけど、
彼はなぜだかビジネスマンの心理やマネジメント論でも的確に本質突く人で、
それを将棋とシンクロさせながら展開する著書が非常に面白くて、
以前から著者としても好きだ。


本書は、スポーツジャーナリストの二宮清純氏との
対談をまとめたもの。


将棋と組織から学ぶものってこんなにも似てるんだ、、と
目から鱗が落ちますよ。
(引用したい箇所があり過ぎて、ちょっと長め。)

●日本の将棋は駒の威力を落として、強さのバラつきをなくした。
 しかし、そのぶん再利用のルールを作ったんです。
 相手の駒をとったら、それを自分の持ち駒にできる。
 その持ち駒を、今度は味方として好きな場所における。
 こんなルールは世界でも日本だけです。(羽生)

●「と金」って安心なんですよ。相手にとられたとしても、
 向こうは歩としてしか使えない。
 表と裏のギャップが大きいだけに、
 駒の価値としては金の三倍くらいある感じがします。(羽生)

●会社にもいえることですよね。
 特別できるわけでもない普通の人間が圧倒的多数なんだから。
 彼らが力を発揮できる環境を用意することが、
 強い組織になれるかどうかの分かれ目になる。
 「三年待つ」じゃないけど、先をにらんだ戦略的思考が求められる。(二宮)

●歩は力が弱いけれど、急所に置けば、いてくれるだけで役に立つ。
 そういう意味で、歩が急所にいるかどうか目を配ることが大切。(羽生)

●持ち駒の歩を打って守りを固めたあと、それを「と金」に変えて攻めればいい。
 コストも手間もかからない。(羽生)

●突出した個人のパワーに頼るんじゃなく、組織の効率で戦うと。(二宮)

●例えば飛車と香車って、すごく相性がいいんですよ。
 どちらも縦系に動く駒なので、飛車と香車で隅を狙ったりすると力を発揮する。
 (羽生)

 組織で動くって、そいういうことですよね。(中略)
 「連動力」とでも言えばいいのかな。
 それが随所で発揮されるのが本当に強い組織だと思う。(二宮)

●能力ってきっちりした普遍的なものがあるわけじゃなくて、
 その時代時代の社会から求められているものを能力と呼ぶんじゃないかと。
 ある社会、ある組織から求められる能力って、つねに変化し続けている。
 だから、ある組織からある組織に移った人が活躍できるかどうかって、
 「いかにマッチングさせるか」というマネジメント次第だと思うんですよ。
 決して本人だけの問題じゃない。成功するかどうかは、
 組織を運営する人のマネジメント能力にかかってる気がしますね。(羽生)

●将棋が強くなりたければ、「この形は絶対に指したくない」という感覚を
 大事にするほうがいい。
 制約があればあるほど、本筋の手を突き詰めて考えるようになりますから。
 そういう習慣が大事だと思う。(羽生)

●(日本では)子供の頃から「ルールを守れ」とは言われても、
 「ルールを作れ」とは言われませんからね。
 ルールは守るもんだと思って育っちゃう。
 一方、欧米人にとってルールというのは、
 「人間がよりよく生きるため、人生を面白くするための手段」にすぎない。
 競技を面白くするためにルールを変えるのは、
 彼らにとっては当然の話なんですよね。(羽生)

 ルールって、「指一本ふれちゃけいない神聖なものだ」と思ってますよね。
 だからルール改正の会議とかでは欧米人に比べて日本人の発言は消極的です。
 終わってから文句を言うことが多い。
 やっぱり小さなときからルールを作る感覚、そして
 「自分が作ったから守るべきなんだ」という感覚を育てていかなきゃいけないと
 思います。(二宮)

●創造性以外のものは簡単に手に入る時代だともいえるでしょう。
 だから、何かを創りだすのは無駄な作業に見えるけど、
 一番大事なことなんじゃないかと。それ以外のことでは差をつけようがないので。
 最後は創造力の勝負になるんじゃないかと考えています。(羽生)

●ワイルドさというか、動物的直感みたいなものがますます重要になってくる。
 激動の中を生き抜いていく力強さ。状況を瞬時に把握して、
 直感的に判断する能力。知識を入手するのは簡単になったけど、
 そういう人間の本質に関わる強さのようなものは、なかなか身につけ難いんですよ。
 (羽生)

●ビギナーズラックは長くは続かない。(二宮)

 モチベーションをいかに維持し続けるなんでしょうね。(羽生)
 
 (中略)

 価値観が多様化した時代にあって、戦いの意味を一点に集約させるのは難しい。
 (羽生)

●ほとんどの場合、攻める側のほうが難しいんです。
 攻める側はすべて正確な一手を選んでいかなきゃいけない。
 受けてるほうが楽なんですよ。
 相手が仕掛けてきた手に対応すればいいだけですからね。(羽生)

●もちろん選択肢を広げることも重要なんですよ、強くなるためには。
 でも、それだけではダメ。
 その先に進むには「選択肢を狭める感性」をもてるかどうか。
 「この選択肢には可能性がない」と瞬時に判断する能力。
 どんどん絞り込んで、選択肢を少なくすることで、総合的な力があがっていく。
 (羽生)

●将棋ですごく大事なのは、遠回りをいとわないこと。
 あと一枚あったら詰むのに、手元にない。
 それなら、一手で済むところを一〇手かけるつもりでやっていく。
 そういう「遠回りする感覚」が大切なんだと思います。(羽生)

●足りないものを他所から簡単にもって来れたら、あまり力にならない。
 足りない状況のなかで何とかする。その繰り返しが力になる感じはあります。
 (羽生)

●会社で本当に自分が好きな仕事をやってる人って、
 一パーセントもいないでしょうから。
 普通に仕事してたら、絶対火がついてない状況の人ばかり。
 その人たちをどうやって燃え上がらせていくのか。
 部下の情熱を引き出せる人、眠っている才能を呼び起こせる人こそ、
 真の意味での経営者なのかなと。(羽生)

●やっぱりモチベーションの問題は大きいですよね。
 自発性がもってる強さは、先天的な才能をはるかに超えると感じています。
 (羽生)

●方法自体はたしいて重要じゃないのかなと。
 それよりある程度の時間を費やすこと。(中略)
 密度を濃く、長くやり続けていくことのほうが大事だと思います。(羽生)

●「物事が一メートルも動かないから、やらない」というのは、
 おかしな考え方だと思うんです。
 一センチでもいい方向に進むのであれば、時間はかかってもやるべきでしょう。
 ベストは無理でもベターな方向を目指すのが人間の務めなんじゃないか。
 (中略)未知の領域であったとしても、人間はベストは無理でもベターな解なら
 見つけ出すことができる。そこに人間社会の希望があると思っています。
 (二宮)

将棋と経営


まったくの偶然だが、昨日私のパートナーに
「なんか今のライフスタイルに飽きちゃったから新しいこと始めたいなぁ・・」
とぼやいたら、
「じゃ将棋でもするか!」という意外な答えが返ってきてびっくりした。

彼は中学生の頃囲碁将棋クラブだったらしい。
(サッカー部とかじゃないんだ・・・・・。)


私も男兄弟で育ったので、駒の動かし方くらいは知っている。

ちょうど羽生さんの本を読んで、
経営の訓練のために将棋は有効なんじゃないかと思っていたところだったから
「やる!」と即答した。


・・・でもそこでふと思い出したことがある。


一昨年は、「商売の勘と勝負強さを養うんだ」とかいって、
麻雀を始めたんだけど、
地道に牌を集められず、常に役満狙いで、
自らカモを買って出ていた私でございます・・・

それでも、
「ピンフで無難にあがる人生より、
リスクをとって役満を狙う人生のほうがいいの!
九蓮宝燈(※)が出たら死んでもいい。」

などとほざいて周囲からは失笑・・・

※九蓮宝燈(チューレンポートー)
 ・・・日本ではこの役を和了した者は「運を使い果たしてしまい、
 次は逆の巡りで死ぬ」と言われて、お祓いを受ける人もいるが、
 中国では縁起がいいものとされている。
 英語では、「Gates of Heaven(天国への扉)」とも言う。


果たして将棋は大丈夫だろうか・・・(汗)


とりあえず、今週末はドンキに将棋セットを買いに行こう♪

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