
今日お客様との商談を終えて渋谷駅に向かっていたら、
コールド・ストーン(アイスクリーム店)を発見。
ちょうどおやつが食べたい頃で、
同行していた男性メンバーを無理やり誘って列に並んだ。
コールド・ストーンはアメリカで1300店舗以上を展開していて
正式にはコールド・ストーン・クリーマリーというらしい。
2005年に日本に上陸して、
金メダリストの荒川静香さんが一号店の六本木ヒルズに現れたとかで、
いっきにブームに火がついた。
コールドストーンとは文字通り「冷やした石」。
-9℃に冷やしたコールドストーン(石板)の上で、
アイスクリームとフレッシュフルーツを、スタッフ(彼らはクルーと呼ぶらしい)が
オーダー後に大型スプーンを持った両手でリズミカルにミックスする。
そこまでならまぁなんとなく考えつきそうなものだが、
アイスをかき混ぜる際、店中のクルーが皆で声を併せて
楽しげな歌を歌ってくれるところがこの店最大のウリ。
ブームが始まった頃、
私は六本木ヒルズが職場だったので毎日この店の横を通っていたが、
アイスの味か、歌うクルー見たさかわからないが、
平日も昼夜を問わずひっきりなしに長い行列ができていた。
***
今日初めてここのアイスを食べるというメンバーにどうしても見せたくて、
「うた歌ってくださいね。」とお願いしたら、
「うたのオーダーいただきました~!」という掛け声と共に
アルバイトとおぼしき、4.5名の可愛らしいお嬢さんが、
元気いっぱい「幸せなら手を叩こう」の英語バージョンを歌いながら
アイスをかき混ぜてくれた。
聞けば持ち歌は50曲程あるらしい。
時にはクルー自らオリジナルの歌を提案したりもするそうだ。
その話を聞いたうちのメンバーったら、
「提案するとお金もらえたりするんですか?」
などと下世話な質問を・・(笑)
その問いにお嬢さんは明るく
「いいえ、自分の誇りになるだけです!」
「・・・・・・。(参りました)」
自分からお願いしておいてなんなのだが、
営業帰りのサラリーマン2人、可愛らしいお嬢さん方に囲まれて
うたを歌っていただいても正直リアクションに困るのだが、
ただ、彼女たちのその、心から楽しそうな様子がすごい。
そのモチベーションはどっからくるのかなぁ?と思って、
帰社後、運営会社のHPを確認したら・・・やっぱりある!
従業員一人一人を尊重します
公平に評価します
人として社会人として成長の機会を与えます
私たちのビジョンを達成するために共に働きます
私達は多いなる情熱、向上心、成長する意欲をもち、最もクオリティーが高く、
創造力に富んだハッピークリーマリー体験を提供することにより、
世界の人々を幸せにします。
なるほど。。いかにもアメリカの会社だ。
「私たちはアイスを売ってるのではない、人々を幸せにしているのだ」という発想。
アイスクリームから世界の幸せに話が及ぶスケールの大きさも、
その対価として「正等な利益を得よう」とストレートに宣言するあたりも。
それは決して「アイスクリームの提供」ではなく、
「アイスクリーム体験の提供」なのだ。
思いつく限りの他のアイスクリーム店のHPもひいてみたが、
これだけ高らかに企業理念を謳っているのはここ以外になかった。
日本人はこういったことを明言するのを避ける傾向にあり、
「言わぬが花」的な美意識が以前として強い。
だが私は経験を経るごとに「企業理念」の重要性をひしひしと実感する。
人が自分が思い描く以上の人間にはなれないのと同じように、
企業もまた、言葉にした以上の企業にはならないものだ。
経営者が、とりあえず街のアイス屋でいいや、もし儲かったら他店舗展開でも考えるか、
という想いで始めるのと、
自分たちは世界の人々を幸せにする企業になるのだと想って始めるのとでは
同じアイスクリーム販売でも絶対に違った結果になる。
なぜなら、ビジョンの違いは経営戦略の違いを生むからだ。
選ぶ素材も、店舗の立地やデザインも、すべての判断基準が変わってくる。
そして何より従業員の意識が変わり、日々の行動が変わってくる。
そうやって、理念の違いは購買者であるお客様の五感に確実に伝わっていく。
また、従業員が個人としてそれぞれにどんな考え方を持っていようと、
この企業で働くという次元において、共通の価値基準を持つことができる。
このことが一体感、チームワークを生み、企業の成長が加速する。
そもそも理念を受け入れられないタイプの人材は集まってこなくなる。
例えば今日私が話しかけたお嬢さんが、
「本当はめんどくさいんですけど、時給高いんで歌ってます」
なんて答えたらどうなるだろう。
個人的には「やっぱりねー」なんて共感しちゃうかもしれないけど、
彼らの提供する【世界観】は台無しだ。
その【世界観】こそが、彼らを他のアイスクリーム店と明確に差別化している
重要な要素であるにも関わらず。
少なくとも今日のお嬢さんはしっかりと
「人々を幸せにする」ことを認識していたようだ。
ちょうど来週、我がデジパワークスでも理念共有のための
研修を実施するのだが、
もっと大きなスケール感を持って
明確に打ち出せるよう準備しなくてはだめだな。。
と、そんなわけで、
お嬢さんの笑顔とキャンペーン中のオススメメニューと引き換えに、
レギュラーカップ一人前610円という、決して安くはない代金をお支払しつつ、
束の間のアイスクリーム体験(!?)を楽しみ、渋谷を後にした。
Comment
すごいタイムリー!!
私も先日コールドストーンに行って「体験」してきたんだよ~。
同じように、何故歌を歌うというパフォーマンスを取り入れたのか気になってたので今日のブログでよく理解しました。
ぶっちゃけエライ値段の高いアイスに行列並んでまで食べたいという客の心理が分からなかったんだけどね。(ってお前はなんだよって感じだったけど並んでる時には値段見てなかった 笑)
日本人は特に非日常的なものに惹かれる傾向にあると思うよ。
ああいったいかにも?なHappyな環境でアイスを売ってくれる空間が楽しませてくれるんだよね。ディズニーランドもそうだけど。。。
そういうのも含めてあの価格になってるのかな。。。
まぁその奥に企業理念があったとは…。勉強になりました 笑
Yukiさん
いつもシンクロしますね(笑)
まず自分(企業)がどうなりたいかを明確にイメージし、
言葉にして、
それをどれだけ強く想い続けられるかで結果が決まる。
これだけの成功者たちが口を揃えて全く同じことを言うのだから、
本当にそうなんでしょう。
それなら私達、けっこういけるんじゃない(笑)?