【書評119】なぜ、あの部門は「残業なし」で「好成績」なのか?6時に帰るチーム術

(株)ワーク・ライフバランス代表取締役 小室淑恵著

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アンバランスな私


今日みたいな金曜の夜に、コンビニのおにぎりをかじりながら
オフィスでブログを書いている私が
こんな本を紹介しても何の説得力もないのだが・・・


女性らしい丁装とタイトルの割に
なかなか読みごたえのある本だった。


・・・実は私は本来、女性が書いたビジネス書があんまり好きじゃない。


組織よりも個人的な幸せにより焦点が当たりやすく、
仕事だけじゃなくて女性としても輝きましょう的な、
甘めのストーリー展開がどうもニガテだ・・・

っていうか、多分私自身が女でありながら
そういうバランスの良い生き方ができないことからくる
単なる嫉妬なんだと思う(笑)。


でもこの本は、大手企業を辞めて起業を決意したとき妊娠が発覚し、
出産・育児を余儀なくされた状態で会社を立上げた女性社長が
必要に迫られ編み出した、ロジカルで効率的なマネジメント術である。
マネジメント手法に関する具体的な事例も多く、
子育てをしながら仕事をしている女性、というより
マネジメントに悩む起業したての社長や
組織のマネージャ職の方が読むと参考になるところが多いと思う。

●メンバーがマネージャーに対して求めていることは、
 行き詰っているときに手を貸して一緒に残業したり、
 資料をまとめたりすることではありません。
 マネージャーに期待されているのは、メンバーが仕事の壁を打破するために
 「レベルの高い情報」「人脈」「異なる視点」「気付きを与えるアドバイス」
 などを提供することです。

●「マネジメント向きの人材」や「マネージャー向きの性格」といったことを
 考える必要はあまりないのです。
 マネージャーとは単なる役回りに過ぎないのですから、
 熱血漢でもクールなタイプの職人肌の人でも、
 そのコツを学び、スキルとして身に付けることができるのです。

●「人材育成」と考えると大袈裟になりますが、要はメンバーが
 経験を積んだり技能を修得したりする、しくみづくりをすればいいのです。

●チームを変える視点からは、
 (1)人を育て合うこと
 (2)時間を意識すること
 (3)結果に至るプロセスを重視すること
 という3つが重要です。
 この3つをチームとして評価することを、マネージャーとして
 はっきり打ち出すのです。

●メンバーに会社の業績評価シートを書いてもらう際に
 次の2つの項目をプラスしてみてください。(中略)
 (1)成果を上げるときに「誰の情報提供やサポートを受けたか
 (2)成果を上げるときに「どれくらいの時間をかけたか
 
●「アクションシート」で大切なのは、マイルストーンを達成することそのものよりも、
 達成できなかった場合の原因を分析することです。

●設定された目標と、そこへ至るプロセスが合理的であれば、
 多少のタイムラグはあったにせよ、きちんと成果は出てくるはずなのです。


ふさわしい環境は後から与えられるもの

私は、若い頃、自分の置かれた立場や周囲からの評価は、
8割がた理不尽なものだと思っていた(笑)。

でも実はそうでもない。

マネジメントする側からは
個人の力量は意外とクリアに見えるものだ。

一時的に理不尽な状況に陥ることは誰しもある。
でも力のある者には、いずれ必ず新しい環境や役割が与えられる。
本当に力のある人材が何年たっても不遇な場所から抜け出せないなんてことは
私の経験上まずないと言っていい。

スキルにふさわしいポジションは、実績の後に必ずついてくる。


だから焦ってはいけない。


ところが先にポジションを得ようとする人は多い。

「自分がプロジェクトリーダーならもっと積極的な提案ができるのに」

「自分に役職さえ付いていれば、もっと強く後輩に指導できるのに」


そうではなくて、新しい価値を創造できる者をプロジェクトリーダーと呼び、
後輩を育成できる人間をマネージャーと呼ぶのである。

自戒の意味を込めて言わせてもらうと、
間違っても、転職などという手段でこれを
手っ取り早く手に入れようとしてはいけない。
会社が変わったってあなたの実態は何も変わっていないのだから。

どのみち、見える人には見えてしまうのだから。


見る角度が変われば見える範囲も変わる

以前、数千人の部下を持つ、元大企業の役員だった上司に
言われたことがある。

当時私は自分が与えられた仕事はなんなくこなせていて、
少し天狗になっていた。

「キミは今はうまくいっているが、
 この先どの辺りで壁にぶつかるか、僕にははっきりと見えているよ。」

当時は随分腹が立ったけど、今思えば
これってあながち脅しでも嫌がらせでもなくて、
本当に見えていたんだろうなぁと思う。

それは、上司が部下よりも優れているからではなくて、
単に経験や立場の違いの問題だ。
まさに本書が言うところの
「マネージャーとは単なる役回りに過ぎないから
コツとスキルを身につければ誰でもできるようになる」
という話。


また、メンバー一人一人がどんなに優秀でも、
プロセスの伴わない結果というものも絶対ない。
何かがちぐはくだったり方向性が歪んでいるなぁと感じるときには、
例えそれが感覚的なものであったとしても
たいてい結果もついてこないものだ。

逆に方向性に確信があり戦略に整合性が取れているときには、
どんなにタイムラグがあってもいずれ必ず結果はついてくる。


事業を興すというのをリスキーなことように思ってる人が多いが、
ちゃんとしたビジネススキルを身に付けていれば、
宝くじが当たるのを待っているよりは
何倍も何百倍も確実性の高い投資だと思う。

リクルート出身の経営者が多い、とか
様々な分野で何度起業しても常に頭角を現してくる人がいるってことは、
業界や時代を超えたセオリーがちゃんとあるということ。


それこそがプロセスであり、
それを振り返りチェックする組織の仕組みが
事業と個人を成長させる。


私ももう一度日々の業務を見直してみよう。

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