【書評95】INSIDE STEVE'S BRAINスティーブ・ジョブズの流儀

リーアンダー・ケニー著

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ビジネスとは生きざまの証明


世界を変えられると本気で信じる人間こそが
本当に世界を変える。

この言葉が彼程似合う経営者はほかにいない。


「私の夢は全世界のすべての人が自分自身のアップル製
コンピュータを持つようになることだ。」


これはアップルの創業者スティーブ・ジョブズが一貫して
創業期から言い続けていることだ。


個性の強い変わり者の起業家の戯言と聞き流していた多くの人も、
今なら気付くだろう。

ipodやiphoneを生み出した今、
ジョブズの夢が現実のものとなりつつあることを・・・


●「私の夢は全世界のすべての人が自分自身のアップル製
 コンピュータを持つようになることだ。そのためには、
 われわれはすぐれたマーケティング企業にならなければならない」

●ジョブズはペプシコーラの社長ジョン・スカリーを口説き落とそうと
 何ヵ月もがんばっていた。だがスカリーは納得しなかった。
 安定した大企業のトップの座を捨て、アップルのような
 どこの馬の骨ともわからない振興企業に入るのは賢明でない。
 (中略)
 ついにある晩、(中略)ジョブズはこの年上の男に向かって
 平然と言い放った。
 「残る一生ずっと砂糖水を売っていたいですか、
 それとも世界を変えたいですか?

●アップルでは、クビ切りの恐怖と宇宙をへこませたいという
 救世主的情熱のあいだに絶えず緊張がみなぎっている。
 「私が経験したどの職場よりも解雇の心配はたくさんあります」

●「彼(スティーブ)はメンバーをその限界まで追い込み、
 その結果、メンバー自身が自分たちの能力に驚くことになる。
 人々から最高のものを引き出すにはどうすればよいか、
 それを正しく理解する生まれつきの才能が彼にはあった。」

●ipodのスクロールホイールから同じくipodのパッケージボックスまで、
 ジョブズは顧客体験のすみずみにまで記を配る。
 自社製品のユーザー体験を見通すその天賦の才が、
 アップルのイノベーションを後押ししている

●「点をつなぐ」ということを彼(スティーブ)は口にする。(中略)
 彼にとってそれらの「点」は人生のひとつひとつの経験をいう。
 経験している最中は思いもよらないけれど、一瞬一瞬に誠実に
 向き合っていけば、それがのちのちつながって線になる。
 人生とはそういうものだし、「イノベーション」とは結果的に
 そういうものなのだと。


現実歪曲を起こす程の信念


 
ジョブズはその激し過ぎる性格と
人の心を揺さぶる強烈なプレゼンテーションで、
周囲の人を天国にも地獄にも容易に連れて行く。

これを「現実歪曲空間(リアリティ・ディストーション・フィールド)」と
呼ぶらしい。

強いカリスマ性に影響され、誰もが現実さえも歪められてしまうというのだ。

ある論法で説得できなければ、彼は次の論法にうまく移行する。
ときには相手の意見を突然自分の意見のように言い出して、
相手を面食らわせることもある。
自分が別の意見を持っていたことは認めようとしない。
驚くべきことに、現実歪曲空間はこちらがそれを十分認識しているときでも
効果を発揮したような気がする。

僕たちはその基礎となるテクニックは何だろうとよく議論したものだが、
しばらくするとあきらめた。
自然の力として受け入れるしかなかった。

それでいて彼は、人の自尊心をくすぐるのもまた、うまい。

彼はたまに社員をほめる。めったにそうすることはないし、
度が過ぎることもない。
彼が人を認めるのはよくよく考えてのことだ。
めったにないからこそ、その効果は絶大だ。
「もう舞い上がってしまいますよ。彼からほめられるなんて
至難の業ですから」

この二つの能力を同時に操ることで、
彼はアップル内で絶大なカリスマ性を発揮し続け、
また、社員自身が自分で認識している以上の能力を引き出し、
スティーブ・ジョブズの自己実現」のために
何千人もの人間をいとも簡単に駆り立ててしまうのだ。

アップルでは、ジョブズを頂点に残りはすべてフラットな
組織体系であるという。


普通の人が真似しようとしてできるマネジメントスタイルではないのだが、
リーダーが強い信念を貫き通すことで、
あたかもそれがもともとの自分の考えであったかのように感じ始めることは
私自身も体験したことがある。

実績のない新規事業においては、
もはや「何が現実であるか」よりも、「何を現実だと信じるか」、
のほうがはるかに重要な意味を持つ。

ジョブズが生み出す現実歪曲空間がやがて現実のものになるのと、
原理的には同じだ。


最近私が仕事において最も大事にしているのは

◇直感を信じること
◇一度信じた直感をブラさない心を強さを持つこと

それなりに真面目に仕事をしていれば
直感の的中率は上がってくるのだが、
それを信じて実行し続ける心の強さが次の課題だ。

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