【書評91】やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている

荒濱一/高橋学著

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要するに、やるかやらないか


昨年出版された『結局「仕組み」を作った人が勝っている』の
第二段。

「仕組み」=「自分がさほど動かなくても自動的に収入が得られるシステム」

と定義づけたこの本では、
様々な「仕組み」所有者の「思考」にスポットをあて、
具体的なビジネスモデルと「仕組み構築」までの経緯を
わかりやすく紹介している。


しかもここでいう「仕組み」とは、普通の人が1人で、
できる限り小資本かつローリスクで実現できるものでなくてはならない。

わかりやすいところでは、アフィリエイトや株式投資などがあるが、
この本で紹介されているのは、
単純なアフィリエイター、デイトレーダーということではない。

一つのアフィリエイトモデルを完全な「仕組み」として横展開していたり、
売買銘柄の決定をコンピュータのプログラム任せにし、
毎日ほんのわずかな時間を使うだけで株式投資が行えたり、といった
「手をかけずに莫大な収入をもたらすことに成功した人々」
だけを紹介している。

●「一番難しいのは、自分の裁量を入れず淡々と法則(ルール)に
 従うことなんです」

●「仕組み」を所有する最大のメリットは、「自分がどこにいて、
 何をしていようと、収入の流れがストップすることがない」ということだ。

●「仕組み」所有者は、「加算的」ではなく、「乗算的に」収入を伸ばしていける

●「知識・テクニックを身につけること」と「『仕組み』所有者になること」は、
 イコールでは結びつかない。
 知識・テクニックは必要条件に過ぎないのだ。

●不動産投資をすると決意してから4カ月。
 愛車を売り払ったり、ボーナス全額、月々の給料も半分近くを
 貯金に回すなど涙ぐましいまでの努力をして資金を貯めるとともに、
 物件探しを進めた。
 (中略)
 「いくら本を読んだりして研究していてもお金ははいってこない。
  どこかで思い切って物件を購入しないと始まらないと、踏ん切りを
  つけました。」

●思いついたことをすぐに行動に移す。(中略)
 「やるかやらないか。成功するかどうあは、そこにかかっている」
 これは「仕組み」所有者が口をそろえて発する言葉だ。
 
 だが、それだけでは言葉が足りないと思うのだ。(中略)
 「仕組み」所有者のレベルを目指すには、アクセルを全開にする必要がある。
 つまり、徹底的にやり抜くのである。

 
 それは折れない心、というか迫力というか。その気概はすべての
 「仕組み」所有者から、一種のオーラのように感じられた。

 そして、もちろん行動にもしっかりと表れていたのである。

企業という「仕組み」


若干趣旨がずれるが、
私自身、これまで様々な事業立上げの中で、
「誰でも回るスキーム」を作り上げることを常に心がけてきたつもりだ。


新規事業はリソースが足りないので、
一人で何役もこなさなければならない。

マーケティングも、企画も、営業も、DB作成も、経理も、法務的も・・・
もし今日私が倒れたらこの事業終わるんだろうなーと思うことは、
本当に何度もあった。

私個人としては、「私がいなきゃ進まない」ことが喜びだったし、
そのことに大きな遣り甲斐も感じてきた。

「あなたが必要」

「この仕事はあなたでないと」

そう言ってもらえることは誰だって嬉しい。


でも会社はそれでは絶対にいけないと、つくづく思うのだ。
個人のスキルや情熱に依存した事業モデルから一日も早く脱して、
「仕組み」を作り上げられる会社が勝ち残るのだろう。


あのときはゴメン。。


そのことを初めて認識したのは、入社一年目だった。


当時、某ビールメーカーでシステム関係の仕事をしていた私は、
ある日、同期入社で東大出身のHくんにこう言われた。

「岡崎はもっと会社の歯車になることを考えないとだめだよ。」

私は彼のその発言に心底驚いて、
「何言ってるの!
 私にしかできないような意味のある仕事をすることが
 会社にとってもいいに決まってるじゃん!」
と飲みながら口論になったような気がする。

(↑青春ぽいなぁ・・・)

確かそのときは、正直、最後まで
「なんだよ、こいつ。ちっちぇえな!」と思っていたのだが(笑)

・・・彼より5年くらい遅れてやっとその意味がわかった。


もちろん個人が歯車になればいいとは思わないが、
自分がいなくても、誰がやっても、
同じサービスレベルを維持できる「仕組み」があるというのは
企業として本当に大事なことだ。

この顧客への普遍的に変わらない成果へのコミットを
人は「信頼」と呼ぶのだろう。


そのことを彼は私に諭していたような気がする。

でも、だ。

その日々の仕組みを動かすのは人間。


「私でなきゃダメな仕事をやりたいという個人の欲求」と
「一定のサービスレベルを保ち続けられる会社という仕組み」

この二つを融合させるのは、
我々ベンチャー企業にとっては至難の業だ・・・


で、ちなみに。

入社一年目で既に「歯車になること」の意味を完全に理解していた彼は
現在、日本有数の一部上場企業の本社人事部で
エリート街道をひた走っている。

元気かな。。

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