
ジャケ買いならぬ、タイトル買い。
自慢じゃないが、私、新規事業の立上げ経験の数なら
なかなか人に負けないと思うが、
その分、撤退という局面に遭遇することも少なくなかった。
一番思い出深かったのは、
海外旅行情報誌の創刊。
そのために新規採用で20名近くの組織を作り、
創刊前一年近くに渡って準備、
壮絶な営業活動を繰り広げ、予算達成、
チームワーク・職場の雰囲気ともに最高の
奇跡的な組織だった。
ところが、ほぼすべての準備が整った創刊一ヶ月前、
SARSウイルス(重症急性呼吸器症候群)が中国を中心に猛威をふるい、
アジアから旅行者が消えた。
急遽特集をヨーロッパ方面に切り替え、なんとか創刊してみたものの、
その直後にイラク戦争が勃発。
結局、私たちが全魂を注ぎ込んだその海外旅行誌は、
わずか3ヶ月であっけなく廃刊となった。
廃刊が決まったその日、チームは解散、みんな泣いた。。
事業どころか会社ごと解散してしまったこともあった。
発表からわずか3日後にはオフィス撤収、
1週間後には解雇処分となった。
そのときはあまりの出来事に状況がよく飲み込めず、
怒ったり泣いたりすることさえないまま、
気が付いたら、無職になっていた。
移り変わりの早い時代の流れも、
権力争いに翻弄され、二転三転する上層部の意思決定も、
もうそれくらいのことでは心が動じなくなった。
そして思う。
なんで新規事業ってこんなにもうまくいかないんだろう・・・
新規事業さえうまくいけば、
自分も仲間もお客様も、みんなが幸せでいられたのにと。
●就職先に大企業を選んだ時点でその人のなかには、
安定した組織で生きていきたいという気持ちが
少なからずあるわけですから、そういう人が最後まで
命がけで踏ん張れるかといったら、それは無理だと思います。(中略)
大企業に優秀な人材がそろっているといっても、そこには
起業して成功した人はいないのです。
起業経験者は創業時の社長だけ、あとは秩序を維持しながら
働くのが得意な社員がいるというのが普通の組織ですから、
何もないところに一から秩序を作る能力がある人のことなど、
わかりっこないのです。●ほとんどの日本人は、考えるというのは調べることなのだと
勘違いしています。●これから新しいビジネスをはじめるのに、こうすればうまくいくという
正解などありませんし、あっても知っているのは神様だけです。
でも、その神の領域に近づくことはできます。
それは、"最善"を目指して、ひとつのことに対して
ああでもないこうでもないと、周囲が呆れるくらいのしつこさと情熱で、
試行錯誤を繰り返すということです。●最悪なのは、撤退の踏ん切りがつかないので、
とりあえず予算を半分にして継続するといったケース。
これは、最初の計画の半額で家を建てろといっているのと
同じですから、もはやその事業が大成する可能性はなく、
続けることだけが目的の無駄づかいでしかありません。●かかわる五十人全員が高いモチベーションを要求されるビジネスは、
起業がやるビジネスとしては適当でない。
しかし、モチベーションが高い人は五人いれば十分、あとの四十五人は
むしろ、与えられた役割をきちんとこなすサラリーマン的な働き方を
してもらったほうがいいというビジネスモデルのほうが
成功の可能性は高い。
読みながら何度も大きく頷いてしまった。
企業内起業である「新規事業」と、
本当にゼロから事業を興す「起業」とは違う。
私がやってきたことも企業内起業に過ぎないから、
どんなに心は傷ついても、
確かに本当の意味での大きなリスクはなかった。
自分も含め、
「企業内起業のほうがいくら経営資源に恵まれていようが、
失敗したら帰る場所がないという覚悟で襲いかかってくる集団」
=本物の起業家には、簡単には勝てないのだ。
結局、事業を成功させるか否かは、
能力よりもどれだけ高いモチベーションを維持できる集団であるか、
リスクを背負う覚悟があるかどうか。
その証拠に、業績の悪い企業の新規事業のほうが、
業績の良い企業の新規事業より成功確立が高いのだそうだ。
業績の良い企業の優秀な人材がどれだけ多く集められても、
もう後がないという、ギリギリの精神力が生み出すエネルギーには
到底及ばないのだという。
なんで皆もっと挑戦しないんだろう、
なんで皆もっと必死にならないんだろう、
いったい何を守ろうとしてるんだろう?
大きな組織の中で幾度もそう思ったことがあるが、
それはむしろサラリーマンという生き方を選んだ人にとっては
常識的な反応なのだ。
常識外の行動を求めること自体が間違っている。
仮になんとか一時的にパワーを集められたとしても、
常識外の行動を取り続けなければ存続できないような事業は
たった一人が辞めただけ瞬間に簡単に破綻したりする。
そんな類のものは、そもそも企業内起業として興すべきではないだろう。
ところが、本当の起業家たちはそうではない。
自分たちでベンチャー企業を起こそうなどという人には、
そういう常識がありません。
だから、自分の夢のためなら死んでもいいといった、
普通の人には理解できないような行動を平気でとることが
できるのです。
自分の夢のためなら死んでもいい。
私は例え社内起業であっても、
それくらいの決意と覚悟で、
自分が手がけた事業は必ず成功させる、
そういうコミット力の高い「炎の集団」でありたいと思う。
Comment
いつも楽しく読ませてもらってますv
ビジネスと音楽とは全く異なるものかもしれないけど、
それでもただ音楽を作っていくだけじゃなく「売って」いかなくてはならないという点においては立派なビジネスだと思ってます。
ただどうしたら集客できるか、CDが売れるかいかに顧客(固定ファン)をつけるか等という事は何十年も営業部長をやっているレーベルの人間でも答えは出ていない等とも聞きます。
正解がない世界でそして幾千、幾万もの音楽の中で自分達をどう売っていくかを常に考えてます。
その為には勿論コンテンツ(楽曲)がよくなくてはならなくて、その半面音楽業界の「売れる」為だけの日本には、もうその殆どに芸術性などは見えなくなって、いい音楽やってたからといって必ず売れる訳ではありません。
反対に営業力をどう使うかによって道を見出した先にいいコンテンツが活きる、という事をミュージシャン自身はなかなか気付くものでもないのが最もな落とし穴かもしれません。
バンドの創立者として、答えのない世界だからこそ私は人が嫌がるような事も、面倒なことも何でもやってみようと思います。(それは音楽制作以外のマネージメントの事です)
そしてメンバーに「そんな理想高くちゃついていけない」だの「アツすぎる、やり過ぎる」とか倦厭されたりとメンバーにも理解が得られずに苦しいことも多々あります。
それでもリーダーである以上、メンバーを全員一緒に(今は海外での成功)を収めるために、屈辱も沢山あるし、商品(楽曲)が認められないのは自分自身の否定にもなり得る中、諦めずに絶対的な精神力で前へ試行錯誤していこうと思うのも、最後死ぬ気で達成しようという信念だけでしかないのかもしれません。(おこがましいのですが経営者のつもりで言えば、ですね)
いい音楽を作って沢山の人に聞いてもらい、少しでもその音楽で何かを感じて欲しいという、それはビジネスでいう(お客様に満足していただけるサービスや、社会貢献につながるようになりたい)ようなシンプルで純粋な夢のために、水面下でレーベルの人間や関係者、売れているミュージシャンなどとパイプをいかに作ったり、企画を立て売り込んだり、店舗に売込みの挨拶周りに出たり、日々地道に営業してます 笑
最終的にはシーン(業界、市場)をどう客観的に見て、人の常識を覆すような発想と行動力、それを支える信念をいかに持ち続けられるかが鍵になっていると思ってます。
それでも成功するかなんて分からない訳ですが。。。
だから、ブログを読んでいて
あぁ同じだなぁって思ってつい書き込みしちゃいました。
長々スミマセンでした。
何かを達成しようと思う信念でいえば、バンドなければ是非バイトにでも雇ってもらいたかったです 笑