【書評69】[実学・経営問答]人を生かす

稲盛和夫著

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価値観の違いをどう乗り越えるのか

最近、仕事でもプライベートでも
このことばかり考えている。

人間として、正しいこと、正しくないことは確かにある。
仕事上でも、万人に共通してやるべきこと、
やらなければならないことがある。


でも、その中間、
どちらがいいとか悪いとかジャッジはできないけど、
それぞれの価値観の違いによって、
物事の判断基準や日々の行動が明らかにずれているという場合、

しかもそれが、本来力を合わせて一緒に進むべき人だった場合、

いったいどうやって折り合いを付けたらいいのだろう。


たまたま読んでいたこの本の中にこんな言葉があった。

価値判断というのは、実は人格を投影したものなのです。
その人が見栄っ張りだった場合には見栄っ張りの方向へ、
怖がりだと怖がりの方向へものごとを決めてしまう。
石橋を叩いても渡らないという、非常に慎重な人もいれば、
石橋を叩かずに渡る人もいる。
まさに、価値判断はその人の人柄によるのです。


確かに自分が正しいと信じて判断していることも、
掘り下げていけば自分の人格が投影されているだけであって、
それを正しいと決めている価値基準自体、自分の中のものさしでしかない。

見栄っ張りな人はいつだって見栄っ張りな判断をするし、
慎重な人はいつだって慎重な判断をする。
なるほど、そう言われればその通りだ。

人に何かを相談する場合だって、
この人だったらこういうふうに考えるだろうなというのは
だいたい予測がついていて、
自分が欲しい答えをくれそうな人を選んで相談していることが多い。


いったい「正しい」の定義ってなんだろう。

そして、仕事にしろプライベートにしろ
誰かと協力して生きていかなければならない現実の中で、
何を優先して物事を判断していったらいいのだろう。。


稲盛氏の結論はこうだ。

人柄は変えられます。(中略)
それは、正しい判断をするために、
人間をつくっていかなければならないということです。
心を修行し、人間がいかにあるべきかを学び、
人間性を高めていくということが、人柄を変えていくことになるのです。

人格を高め、人柄をよくしていくには、
二つの方法があります。
一つは先人の教えを学ぶことです。
(中略)
もう一つは、やはり善きことをなす、つまり「利他の行為」です。
「積善の家に余慶あり」「情けは人のためならず」というように、
他人(ひと)さまのために尽くす、善きことを行うことは、
自分の人格を高めることにもなっていくのです。

1通して9譲る覚悟


昔、尊敬していた上司にこんなことを言われたことがある。

「1通して9譲れ」

本当に譲れない1だけを自分の中でまずきっちりと認識すること。
そしてそれ以外の9は人に譲ること。

当時私は、ある媒体のコンセプターのポジションをいただいていた。
無責任な雑音も多く、まだまだ未熟だった私は
自分の意見を10通したい気持ちでいっぱいだったから
9は譲ってしまえ、と言われたときは衝撃だった。

でも反論をぶつけてくる人間もすべて含めて、
周囲の協力なしには事業自体が成り立たない状況の中で、
結果的には、
私が9譲る気持ちを持ったことで、
その分、どうしても譲れない1への協力者が格段に増え、
事業そのものが進めやすくなった。


やっぱり価値観の違いを乗り越えるには、
まずは自分が変わるしかないのだろう。

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