
昨日のノーベル物理学賞受賞に続き、
ノーベル化学賞でも日本人が受賞する快挙が
連日報道されている。
今朝の日経新聞にノーベル物理学賞を受賞した
米シカゴ大学の南部陽一郎名誉教授の会見の内容が
載っていた。
南部教授は、この受賞をなんと30年間も
待ち続けたという。
---発見が早すぎたことでかえって苦しい思いをしたのでは?」
「そんなことはありません。
ずっと先の、とてつもないことを考えるのが好きなのです。」
「若いころは今年こそ、と思っていました。
長い間、候補の一人だとは知っていました。
でも通知がないので、ここ20-30年は期待せず、
忘れていました。今回も期待していませんでした。」
---日本に帰る予定はありますか?
「ありません。米国で研究を続けます。」
ここ20-30年は期待せず・・・
とさらっと仰っているが、30年といったら大変な長い時間だ。
私なんかは2.3年も自分が認められない状況にあったら
すぐに業を煮やしてしまう。
他者からの評価に左右されることなく、
自分の信念に沿って、日々の努力を怠らない生き方。
本当に大きな功績を残される方の忍耐力は
並外れている。
南部教授は米国に46年前に渡り、
現在はアメリカ国籍を取得している。
ノーベル化学賞の米ボストン大学下村名誉教授も
米国在住だ。
今朝のワイドショーで言っていたのは、
こういった権威ある研究者たちの多くが、
母国の日本ではなく米国での研究活動を選択するのは
やはり米国のほうが
新しいことを発見する学問への理解や、
研究活動に対する物理的な支援などが
充実しているのではないだろうか、ということ。
私は研究活動のことはよくわからないが、
これは起業支援にも同じことが言える。
米国には、「エンジェル」と呼ばれる、
個人投資家の中で特にベンチャー企業などの創業初期の会社に対して
出資を行う投資家が数多く存在する。
その他、金融システム、公的支援制度、民間支援団体など、
起業家を育てるあらゆる社会的基盤が整っている。
そのことが過去10年で12~14%という高い起業率の実現に
大きく寄与していることは疑うまでもない。
(ちなみに日本の起業率は3%前後を推移)
その分競争に敗れた企業の廃業率も高いし、
最近は、アメリカの深刻な金融不安が
様々な面から取り沙汰されているので
一概に良し悪しは語れないが、
ただ少なくとも、
新しいものを生み出そうとする人を
金銭的に余裕のある人が支援することを
当たり前のことと捉える風土は間違いなく日本よりも
格段に浸透している。
米国と日本の起業率の違いは、
そもそも東洋と西洋の思想的な違いだという説を
どこかで読んだことがある。
東洋思想は、
先人の権威や思想を延長する形で発展してきたから
年長者や古き良きものを尊び、継承することを良しとする。
逆に西洋思想は、
世界像を根本的に書き換えることを価値を置くため、
その発見者や実行者に栄誉を与えようとするメンタリティが働くとか・・
現代の市場や資本主義に基づくビジネスの枠組自体
西洋社会が作った概念なので、
人として本来何が正解か、とかはわからないけど。。
ただ、日本がこれから急速な少子高齢化を迎える中で、
単純な労働力という意味ではもう経済が先細りすることは
目に見えている。
であれば。
世界を変えるような新しい価値を生み出すことを、
そしてそこに挑戦する人々を社会が下支えすることを、
もっと日本人全体が真剣に考えなければならない時期が
来ているのではないだろうか。
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