
稲盛和夫(いなもり・かずお)
1932年、鹿児島市に生まれ。鹿児島大学工学部を卒業。
59年、京都セラミツク株式会社(現京セラ)を設立。
社長、 会長を経て、97年より名誉会長を務める。
84年には第二電電(現KDDI)を設立、会長に就任。
2001年より最高顧問。
このほか、84年に稲盛財団を設立し、「京都賞」を創設。
毎年、人類社会の進歩発展に功績のあった方々を顕彰している。
また、若手経営者のための経営塾「盛和塾」の塾長として、
経営者の育成に心血を注ぐ。
稲盛氏は京セラとKDDIの前身である第二電電を創業し
日本を代表する大企業にまで成長させた。
両社はいまでも高収益をあげ、発展を続けているが、その経営を
ささえているのが、「アメーバ経営」と呼ばれる、確固たる経営哲学と
精緻な部門採算管理をベースとした経営手法である。
●経営における判断は、世間でいう筋の通ったこと、つまり
「人間として何が正しいのか」ということにもとづいて
おこなわなければならないということに気づいた。 (中略)
両親や祖父母から、子供のこと叱られながら教わった
「人間として、やっていいこと、悪いこと」という、
ベーシックな基準で判断していこうと思った。●「売上を最大に、経費を最小にする」 (中略)
「そんなことあたりまえでしょう」と言う人が必ずいる。
だが、この原則こそ、世間の常識を超えた、 経営の神髄といえるものである。●私は創業当初から、「お客様が値段を決める」という
市場価格を前提として経営をおこなってきた。
したがって、原価を積み上げて製品の売値を決めていくのではなくて、
まず市場価格ありきと考え、その価格で十分な利益があがるように
徹底的にコストダウンするようにしてきた。
つまり、「原価+利益=売値」という考え方ではなく、
「売値-原価=利益」であると考えて、売上最大、経費最小に
徹底するよう経営してきた。●経営トップは「なぜこの事業をするのか」という事業の意義や目的を
明らかにし、それを各部門のリーダーに対して日頃から十分に
伝えていかなければならない。
(中略)
経営とは日々の判断が集積したものであり、その結果が実績となって
現れるものである。したがって、リーダーは得に正しい判断を
要求されるのだが、そのためには「人間として何が正しいか」という
普遍的なフィロソフィを持つように普段より努力しておかなければならない。
私は、尊敬する経営者はと問われたら
稲盛和夫と、スティーブ・ジョブズと、母親と答える。
以前ブログにも書いたが、ヤマト運輸の小倉昌夫にしても、
本田宗一郎にしても、
偉大な経営者は、いつだってあまりにもプリミティブで、
あまりにも実直だ。
中でも稲盛氏の書籍を読んでいると私はいつも不思議な感覚に襲われる。
それは真意を疑うほどに謙虚で、
畏怖を感じるほどに精錬されていて、
「経営」というある種もっとも俗世的な世界に身を置きながら
人はここまで高潔に自らの魂を磨き続けることができるのかという
驚きと感銘。
何か素晴らしい芸術作品に触れたときのような気持ちに
似ているかもしれない・・・
以前の私は、ビジョンの共有とか、
人間として何が正しいのかとか、
そういう実態のない話があまり好きではなかった。
でも経験を重ねるほどにはっきりと見える法則がある。
本当に必要なものはシンプルだ。
組織を形づくる「人」、その個々の「考え方」に基づく「判断の集積」、
それがそのまま事業の「結果」になる。
個人の能力=結果にならないところが会社組織の難しく、
面白いところだと思う。
これらの変数が大きければ大きいほど、
その組織が生み出す結果は無限に大きくすることができると
今、私は断言できる。
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