【書評55】スピードに生きる

本田宗一郎著

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本嫌い

かの本田宗一郎は、本が嫌いだったらしい。

本田宗一郎曰く、
「本というものは過去のことしか書いていない。
本を読むとそれにとらわれてしまって、
なんだか退歩するような気がしてしまう。」そうだ。

一般的に多くの経営者が本好きなのだが、珍しい。


日ごろ本嫌いを肯定することなど滅多にない私だが、
それでも、彼の著書を読んだら、
確かにそう言うだけのことはあると思った。


いや、現代から見たらむしろ当たり前のことばかりなのだが
ここに書いてあることのほとんどが昭和20年代という時代に
書かれたことを考えると、
やはり本田宗一郎という人物は偉大だ。

彼くらいの偉大な経営者なら
「本を読むと退歩するから嫌いだ」と言い切っても
きっと誰も反論できないだろう・・・

常に正しくあることこそ、自分をいちばん強くすることである。

 最後の勝利を決するものは正しいか否かということであって、強いか弱いかが
 勝敗を決するのではない。

●問題は製品の品質と値段だけである。一生懸命にやらないでも品質がよく、
 値段が安ければよい。一生懸命賃というものは支払われない。
 したがって、計画的に合理的に仕事を進めて、一生懸命やらないでも、
 製品の品質と値段を確保することが肝要であると思う。

●私は会社のために働きにくるなどという社員は嫌いだ。自分のためにいかに
 働くかが問題であり、会社のためになどと-昔の忠君愛国みたいなことを
 ふりまわされるのはいやだ。
 (中略)
 人はだれでも、自分の生活をエンジョイしたい、自由になりたいということで
 仕事に精を出すものなのだ。したがって、いちばん問題になることは、
 働きにくる人がほんとうに働きたくなる目的を達することができるように、
 経営者のほうで気をくばってやることが、働きにくる人にはいちばん励みに
 なるわけで、これが能率の基本だと私は信じている。

人間というやつは、自分に理解できないと、すぐ危ない、危険だ、
 冒険だという批判をくだす。
 (中略)
 世間の人に理解されないことは、すべて危ないという烙印をおされてしまう。
 しかし、そんなことに拘泥していては、真のパイオニアにはなれない。

私はスピードによって人生というものは決められると信じている。
 われわれには神様に与えられた一定の人生しかない。
 それゆえ、与えられ、限られた間に、自分の要求をどれだけ満たすかということが
 人生最大目標であるから、それにはスピードが絶対必要である。
 (中略)
  私はいつでも惜しみなく自分のものは人に出して与える。
 隠すなどということはせずに、喜んで開放する。

●私はどんな場合でもそうであるが、そのときもかならず私のこうやったことに
 理屈がついている。理屈なしにはやらない。どんな場合でも。
 だから人から見れば危ない。自分ももちろん危ない。しかしほかのものを選ぶより
 それがいちばんいいという、自分には正常なものを選んでいるわけである。

●人間というやつははなはだ得手勝手なもの、表面に現れたことに対しては
 ずいぶんやかましくいうが、その現象の根源である事物に対しては
 あまり深く考えようとしない。

●学校の勉強ではカンニングはご法度だが、事業のカンニングは合法的な
 やり方ならば、それは勝手である。
むしろ進んで人に会い、人の知恵を
 もらってこなければ競争に負けてしまうのである。


人口の多いことはすばらしいこと

この本の中にこんなくだありがる。

なんといっても、人口の多いことはすばらしいことだと私は考えている。 それだけ消費物資をたくさん消費しているばかりでなく、仮に、 人口が少なかったら、私たちのような商売は成り立たない。

昭和20年代後半、まさに日本はそんな「人口が増加していく国」だった。

食べるものもない戦争の時代から
世界第二位の経済大国に登りつめた要因は、
なんといっても若い人口の多さ。

日本の若者たちは惜しみない「労働力」で経済成長を支え、
また、自らの生活が豊かになることで「消費」の主体となった。

そんな好循環が日本を発展させた。


それとまさに同じ状況が今ベトナムで起きている。
平均年齢26歳。

人口ピラミッドを見ればそのバランスの良さは一目瞭然だ。

人口.jpg

豊富な若い人材が高齢者を支える理想的なピラミッド型。

こういう国はこれまでの世界の歴史を見ても
伸びないわけがないのだ。

それに比べて現代の日本は・・・
やっぱりこれからの時代に希望を持つというのが
なかなか難しい国だ。


戦後復興も、バブル時代も、
日本が希望に満ちていた時代を私はリアルに知らないが、
今ベトナムビジネスを通じて、このような
一つの国の時代の盛隆に立ち会えることを
幸せだと思う。

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