【書評54】アイデアのつくり方

ジェームス・W・ヤング著

518JGHMGRAL__SL500_AA240_.jpg

砂金拾い

先日オフィスの引越しをした。

そのとき、共同の本棚にあった本を処分するので
欲しい人は取りに来てくださいというアナウンスがあって、
ダンボールの中の大量の本の中からふと目に留まった一冊。


実はこれ、ずっと読みたくて探していた本だった。

それがこんな形で予期せず目の前に現れるなんて。


本との出会いは、人との出会いと同じくらい偶然というか
「縁」だと私はいつも思う。


日本中、いや世界中で出版される本の数を考えると
人生で読める本の数なんて、ほんの僅かだ。

膨大な本の中からその一冊を手に取ったこと自体がまず最大の偶然。

私は年間数百冊の本を読むが、
その中でまぁ読んでよかったなというのは半分くらい。
心に残るものはというと・・・1割にも満たないかな。
更に生涯繰り返し読みたくなるような本はというと、
年に1.2冊もあればいいほうだ。

でも、例えば一冊300ページの中にたった「一行」でも
自分に何か新しい気付きを与えてくれるような本に出会えればそれでいい。


ある人が言っていた。

本を読むのは川底から砂金を探すようなものだと。

すくってもすくっても、そのほとんどがただの砂だが、
それでもすくい続ければ必ずどこかに一粒の金が混ざっているのだと。

だから人生で金色の言葉に一つでも多く出会いたいなら
ただひたすら本を読み続けるしかない。

つねにそれを考えていること

さて、この小論は、筆者がはじめシカゴ大学のビジネス・スクールで
広告を専攻する大学院の学生諸君に講義し、後日、広告界で活躍する
実務家の集まりで話したものである。

アイデアのつくり方

【第一】
資料集め-諸君の当面のための資料と一般的知識の貯蔵を
たえず豊富にすることから生まれる資料と。

【第二】
諸君の心の中でこれからの資料に手を加えること。

【第三】
孵化段階。そこでは諸君は意識の外で
何かが自分で組み合わせの仕事をやるのにまかせる。

【第四】
アイデアの実際上の誕生。
<ユーレカ!分かった!見つけた!>という段階。そして

【第五】
現実の有用性に合致させるために最終的にアイデアを具体化し、
展開させる段階。

この中で特に私が実感するのは【第四】の段階。

つねにそれを考えていること (中略) どこからもアイデアは現れてこない。 それは、諸君がその到来を最も期待していない時 -ひげを剃っているいる時とか風呂に入っている時、 あるいはもっと多く、朝まだ眼がすっきりさめきっていないうちに 諸君を訪れてくる。 それはまた真夜中に諸君の目をさますかもしれない。

私は一つの事業開発を手がけ始めると、
寝ても覚めてもそのことばかり延々と考え続ける。

家に帰ってからも、土日も、寝ている間にも、
事業のことが頭から離れることはない。

ONとOFFの切り替えが下手だと言われたら返す言葉もないのだが、
同じ人間の頭なので、仕事だプライベートだといっても
やっぱり自分という一人の人間の経験や行動、価値観に基づいてしか
発想は生まれてこない。

深夜まで仕事をすると、そのまま夢の中でも続きをずっと考えていて、
朝になったら解決策がなんとなく浮かんでいることがある。


事業開発はある意味、膨大な課題のタスクを一つずつ消していく
地道な作業だ。

人の問題、商品の問題、販路の問題、数字の問題・・・


課題以外何も見当たらないような状況から
根気よく丁寧に一つずつ解決に導き、タスクを消していく。

ところが、時々、どうしても消せないタスクというのが出てくる。
そんなときはとにかく放置せずにひたすら考える。

考えて、考えて、そのことだけを寝ても覚めても考えていると
もうダメだと思っても必ずいつか答えが出る。

それは本当に「その到来を最も期待していない時」だ。


そして【第五】の段階。

ほとんどすべてのアイデアがそうだが、そのアイデアを、 それが実際に力を発揮しなければならない場である 現実の過酷な条件とかせちがらさといったものに適合させるためには 忍耐づよく種々たくさんな手をそれに加える必要がある。 多くの良いアイデアが陽の目を見ずに失われてゆくのは ここにおいてである。 発明家と同じように、アイデアマンもこの適用段階を通過するのに 必要な忍耐や実用性にかけている場合が多々ある。 しかしアイデアをこのあくせく忙しい世の中で生かしたいのなら、 これは絶対にしなければならないことなのである。


つねに考え続けること、そして現実の条件に適合させる忍耐力、

これさえできれば、クリアできない問題など
そうありはしないのかもしれない。

Comment

Name
Mail
URL
Text