【書評53】ユニクロvsしまむら~専門店2大巨頭圧勝の方程式~

月泉博著

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アパレル専門店の2強

2008年日本経済新聞社の「日経業界地図」によれば、
アパレル専門店の分野で、
ユニクロとしまむらは堂々の1位、2位。
3位以下を大きく引き離している。

【ユニクロ】
売上4,488億円
営業利益704億円
従業員数7,234人

【しまむら】
売上3,912億円
営業利益334億円
従業員数1,745人

私の記憶が正しければ、
確か数年前は順位が逆ではなかっただろうか・・・


ユニクロは若者を中心としたベーシックな商品展開。
SPAの手法で成功したことは周知の事実だ。

SPA(Speciality Store,Retailer Of Private Label Apparel) PB(プライベートブランド)を持つ専門店・小売業の意味。米国のチェーン専門店、ギャップが創出した業態。そこから発展して、アパレル企業と小売業の機能を併せ持つ「製造小売業」を指すようになった。「ユニクロ」に代表される小売業出身と、「ワールド」に代表されるアパレル出身の二通りがあるが、自社ブランドを自社の店舗で販売する形態は同じ。ブランド特性を生かした店づくりや品揃えが行えるメリットがある

それに対してしまむらは、郊外型店舗の展開で、
中高年女性をターゲットに、様々なメーカーな商品を買い付けて
販売している。

巨大な顧客接点

ユニクロは都内の一等地に店舗を構え、私も何度も購入したことがある。

ところが、一見地味なしまむらが、
それとほぼ同レベルで売上高を競っていることを初めて知ったときは
随分驚いた。

私が以前、携帯広告の事業開発をやっていたとき、
サイトの会員を集めるために、リアルな顧客接点を持つ企業と
アライアンス交渉を担当していた。

アパレルの店舗などが持つ「メンバーズカード」を
携帯会員証に切り替えることで、
同時にサイトの登録者数を増やしていこうというビジネスモデルで、
コンシューマーのデータベースを大量に持っている企業を調査していたときに、
しまむらの顧客数の多さに度肝を抜かれた。

一見地味なしまむらは、やはり堅実経営。
物流やシステムのすべてを自社で独自に編み出し、
可能な限りのコスト削減を図っている。

対して、ユニクロは柳井氏の情熱的な経営でセンセーショナルに
同社をここまで押し上げた。

対極にあるアパレル二大巨頭。

この先も両社の行方が楽しみである。

経営方針の比較、そして日本の消費者が求めるもの・・・

【しまむら】

●しまむらは従来の視点で捉える小売業ではない。
 新しい流通の思想と科学的経営を駆使するシステム産業、
 というふうに筆者は理解している。
 (中略)
 ちなみに藤原の口グセは「店はマネできても、仕組みはマネできない」である。

●「休む間もなく常にシステム革新ばかり繰り返し、気がついたら1000点規模に
 達していた」(藤原)


【ユニクロ】
●ユニクロは物流に関して、「日本は万事コストが高いから
 (自社)物流センターは持たない」(柳井)とはっきり割り切る。
 つまり同社は完全なアウトソーシング派だ。

●柳井の持論は。経営はまず結論ありき」である。
 つまり企業として目指すところをまず決め、そこから逆算して今できること、
 しなければならいことに全力で取り組むというスタイルだ。
 (中略)
 「目標を明確に定め、周囲に強烈に示し、成功を目指せ」


結局、90年代から2000年代初頭にかけて大成長した好調小売業とは、
合理的で日常生活対応の極致のようなデフレの勝ち組、そして逆に、
非日常消費の代表格とも言えるスーパーブランド企業だった。
つまり下と上、どちらも両極端なゾーンに位置している。
(中略)
現代日本のような成熟社会において、我々国民の生活は
(面白くもおかしくもない)合理的日常と、(夢のような)非日常の2つで
成り立っているわけではない。むしろそれら両極の間を埋めるゾーンにこそ、
リアルな生活領域がある。


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